ファイナンシャルプランナー(FP)への相談を考える貴方へのおすすめ

ファイナンシャルプランナー(FP)に相談しようと思っても、「自分にとってベストなFPを、どうやって選べば良いのだろうか?」という点で悩まれる方が多いようです。

この記事では、FPサービスを提供している専門家の立場から、「FPの探し方」や「FPの選び方」をお教えします。

FPを探す上で知っておくべきこと

FPを探す上では、まず、「どんなFPがいるのか?」という事を知っておいて頂きたいと思います。この記事では、特に大事な2つのポイントをご説明します。

得意領域によるFPのタイプ

貴方がFPについて最初に知っておくべき事は、「FPの得意分野の違い」についてです。

実は、FPが扱う業務は非常に幅広いのです。FPが「個人のお金に関する専門家」である以上、それは当然なのですが、「日常生活に関わる専門分野のほぼ全てが対象になっている」と言っても過言ではありません。

この為、一人のFPが「全ての分野について熟知する」という事は不可能なのです。ですから、「FPであれば、自分が必要としている情報は全て知っているはず」という考えは、一旦、捨てて下さい。

もちろん、FPであれば全員が得意としている分野もあります。それは、FP資格の根幹とでも言うべき、「パーソナルファイナンス(ライフプランニングやリタイアメントプランニング)」の分野です。具体的には、「個人のキャッシュフロー表(収支予測)」などに関する業務です。この分野が不得意というFPは、まずいないでしょう。

FPの選び方については後述しますが、「全てのFPが得意としている分野と、そうでない分野がある」という事。そして、「それぞれのFPには、得意とする分野がある」という事は覚えておいて下さい。

収入源によるFPのタイプ

貴方が、もう1点知っておくべき事は、「FPの収入源の違い」についてです。

それぞれのFPが提供するサービスの方向性は、「そのFPの収入源の違い」によって大きく変わります。

良く、「独立系FP」と「企業系FP(企業型FP)」などと分類されたりもしますが、より正確には、そのFPが、「誰から・どういった収入を得ているのか」という点で分類した方が、相談者にとっては有益です。

一番解りやすいのは、何かの金融商品を販売・仲介する会社(金融機関や保険代理店)に勤めているFPでしょう。彼らに相談した場合、原則、その会社の商品を販売する前提でFP業務が行われます。また、勤務していなくても、特定の会社からの収入を前提にFP相談を受け付けているFPであれば、その会社との関係を前提とした相談になります。

その正反対なのは、「相談者からのみ収入を得る」タイプのFPです。この場合、販売する商品などの前提はありませんから、目の前の相談者の希望に応える事だけに集中したサービスが提供されるでしょう。

なお、「この2つのタイプの中間」という立場のFPも多くいます。「特定企業の商品販売を前提としている訳ではないが、相談者以外からの収入も当てにはしている」といったタイプのFPです。

ここでは、「FPの収入源は様々である」という事と、「FPの収入源によって、相談のスタイルは変わる」という事を覚えておいて下さい。

自分にあったFPを探す上で設定すべき4つの条件

FPを探す上では、以下の4つの条件を意識する事をお勧めします。自分がFPに相談しようと思っている内容を思い浮かべながら、お読み下さい。

専門性・経験

1点目は、相談相手のFPに求める「専門性・経験」です。

前述の通り、FPであれば、「どのFPでも問題なく扱える案件」もあります。その一方、「その分野に精通しているFPでないと扱えない案件」もあります。

ですから、まず、自分が相談しようとしている内容が、「専門性の高いFPでないと扱えない相談内容なのかどうか」を見極めるようにして下さい。

なお、専門性が高くない相談内容とは、以下のような相談です。

  • 老後の資金が足りるのかどうか心配になった
  • 収入よりも支出が多いらしく、お金が貯まらない
  • お金があるが、資産運用をどう始めれば良いのか解らない
  • 生活で直面するリスクに対して、今の保険が十分かどうか相談したい

など。

逆に言えば、こうした内容を超えた相談は、「専門性が求められる」と考えて頂いて構わないでしょう。

また、FPは「個人の金融」に関する資格ですので、ビジネスの視点が必要となる相談は、かなり入門的な内容を除いて、FPの基本知識から外れます。この為、事業が関係する相談は、FPにとって難易度が上がるとお考え下さい。

ちなみに、当社は、そのような「経営や会社が関係する案件」を得意としています。それが、当社の「専門性・経験」です。こうした内容が関係する相談であれば、一般のFPが扱えない相談を当社は受けられます。

中立性

2点目は、そのFPの「中立性」です。

前述の通り、中立の立場とは言い難いFPもいます。また、大々的に宣伝されている無料相談は、企業がスポンサーに付いている事がほとんどです。

そうしたFPに相談して問題ないかどうかは、貴方の相談内容によります。

もし、「ある不動産会社からマンションを買う事を、ほぼ決めかけている」という状況において、「ちょっとライフプランについて相談したい事がある」といったケースであれば、その不動産会社がスポンサーになっているFP相談会でも問題はないかもしれません。

しかし、「不動産を買って良いかどうか悩んでいる」という段階で、そのような相談会で相談するのは、あまりお勧めできません。やはり、そのような場で相談を受けるFPは、「その不動産会社の商品を売る」という圧力が多少でもある中で相談を受ける事になるからです。

そのような場合には、企業から収入を得ていないFPを探した方が良いかもしれません。

このように、「相談相手のFPが、どのくらい企業から独立しているべきか(中立性)」という事は、貴方が相談しようとしている状況や相談内容によって変わります。

費用

3点目は、FPに相談する上で必要となる「費用」についてです。

相談者は、自分が相談しようとしている内容に、「どのくらいのお金をかけるべきなのか」という事を決めなければなりません。

とはいっても、まず、意識しなければならないのは、以下の三択です。

  • 無料のFP相談で良い
  • 高額なFP相談を利用するべき
  • 無料では困るが、高額なFP相談を利用するほどでもない

前述の通り、企業がスポンサーについているFP相談でも問題なさそうなケースであれば、無料のFP相談で構わないでしょう。

逆に、相談内容が自分の人生にとって深刻であり、そして、専門性が高いFPでないと解決出来ないような内容なのであれば、一旦、「高額なFP相談でも仕方がない」と割り切って、FPを探すべきです。

どちらでもない場合は、「良さそうなFPに手頃な価格で相談できれば良いな」くらいの感覚で良いでしょう。

資格の種類

最後の4点目は、そのFPが保有している「資格の種類」についてです。

実は、FPの資格体系は複雑です。さらに、FPの資格保有者でなくてもFP業務を行っている者もいます。

「FP資格を保有していなくても良い」という考え方もありますが、「少しでも信頼できるFPに相談したい」という考え方をするのであれば、正式な資格保有者を探す事になるでしょう。

資格は、そのFPが持つ知識内容を保証してくれます。そして、公的な団体に所属している資格者であれば、その団体が、その者が「過去に問題を起こしていない事」や「継続的に知識習得を行っている事」などを保証してくれます。

こだわるのであれば、保有している資格のランクにも気をつけて下さい。「○級」というFPの資格名であれば、日本における最上位は「1級」です。英語3文字の資格名であれば、「CFP」が最高ランクです。

※資格制度は複雑ですので、この記事ではその説明を省略します。

FPを探す条件設定の3つのパターン

前述の4つの条件を設定していくと、ほとんどのケースで、以下の3パターンのどれかに当てはまるはずです。自分がどのパターンに該当するのかを確認しながら、読み進めて下さい。

中立性不要

1つ目のパターンは、相談するFPに「中立性を求めなくても良い」パターンです。

このパターンに該当するのは、貴方が「何か具体的な商品(金融商品や不動産など)を購入する方針」を決めており、それに伴う事を少し相談したいケースがほとんどでしょう。

詳しい探し方については後述しますが、このパターンに該当する場合には、まず、「無料FP相談」の機会を活用する事をお勧めします。

特に、商品購入先が関与しているFP相談は、その商品分野についての専門性も高い事が多いので、そういった観点からもお勧め出来ます。

もし、「そういった機会を活用しても問題が解決しない」、または、「商品購入先がFP相談の機会を提供していない」場合には、次の2パターンのどちらに近いかを考えるようにして下さい。

中立性必要・専門性不要

2つ目のパターンは、相談するFPには「中立性を求める」が「そこまでの専門性は必要としない」パターンです。

このパターンには、「様々なプライベートな事について相談をしたい」と考えている人が該当するケースが多いでしょう。

この場合、多少の「相談料の負担」は覚悟して下さい。ただし、この条件設定であれば、相談可能なFPは多数見つかるはずです。主に、「自分との相性」「相談のしやすさ(地理的な距離など)」「費用」といった点で選ぶ事になります。

中立性必要・専門性必要

最後の3つ目のパターンは、相談するFPに「中立性も専門性も求める」パターンです。

このパターンに該当した場合、貴方には「専門的な悩み」があるはずです。そして、その悩みの解決に失敗した場合の影響も大きいはずです。

ですから、「問題を解決できるだけの知識や経験」を持ったFPを真剣に探す事になります。専門の分野にもよりますが、「地理的な便利さ(自分の生活範囲内で相談できる)」や「値段の手頃さ」を求めるのは、一旦、諦めて下さい。

FPを探す具体的な方法・手段

探すFPの方向性(条件)が決まっていれば、FPを探す方法も自然と決まります。

商品購入予定先の企業をもとに調べる

前述の通りですが、「相談するFPに中立性を求めない」場合には、「商品購入予定先の企業が提供しているFPサービスを利用する」のが、お勧めの方法です。

自分が購入しようとしている商品を販売している企業がFP相談を実施している場合、そのサービスを利用すれば良いでしょう。見つからない場合でも、直接、その企業に問い合わせをすれば、提携しているFPを紹介して貰えるケースもあります。

こうした場合、その企業がFPの相談料を負担しているのが一般的ですので、ほとんどのケースで格安(多くは無料)です。ただし、その企業の商品を販売する前提での相談になっている事はお忘れなく。

インターネットの検索エンジンで調べる

「相談するFPに専門性を求める場合」で、かつ、「相談の専門分野が明確な場合」にお勧めの方法です。

検索エンジン(googleやBingなど)で、「FP [専門分野の名前]」といった検索をすれば、その分野に詳しいFPのホームページを見つける事が出来るでしょう。

検索結果の上位に出てくるFPが貴方の相談内容に合っているとは限りませんので、ある程度、多くの候補を確認することをお勧めします。

多くのFPは、自分の専門分野が解るように、様々な情報を発信しています。これを確認する事で、「自分が求める専門性を、そのFPが持っているかどうか」を、かなり的確に判断することができます。

気になるFPが見つかったら、そのホームページから問い合わせをしてみる事をお勧めします。簡単な質問などをしてみて、相手との相性などを確認すれば良いでしょう。

日本FP協会の検索機能で調べる

「相談相手の信頼性」や「資格のランク」にこだわる方にお勧めの方法です。また、「中立性」を求める方にも、この方法はお勧めできます。

日本FP協会は、「CFP認定者検索システム」という機能を提供しています。このCFPというのは、日本FP協会に所属するFPの最上位ランクである事を意味しています。

使い勝手が良いとは言い難いのですが、場所などから検索を行い、条件にあったFPを一人ずつ確認する事で、そのFPの「中立性」や「専門分野(経歴を含む)」について確認する事ができます。

※日本FP協会からは、検索結果の見え方などについては、改善する予定があるとの連絡を受けています。

その他のFPを探す方法

他にも、「誰かにFPを紹介して貰う」といった方法も有効でしょう。この場合、紹介して貰ったFPの「信頼性」については問題ないと思いますが、自分のニーズをもとに選んだ相手ではないので、「専門性」については不安が残ります。

「紹介して貰ったFPとの契約は断りづらい」という話も聞きますので、実際に会う前に、「自分のニーズと合うFPかどうか」や「会った後でも断れそうか」などを確認しておく事をお勧めします。

また、「公的な団体が開いているFP相談会を活用する」といった方法もあります。これまで紹介してきた方法にピンと来なかった方は、利用を検討されても良いでしょう。

ただし、この方法には、原則として、「相談相手を自分で選べる訳ではない」というデメリットがあります。ですから、長い付き合いをするFPを探すのであれば、あまりお勧めは出来ません。

相談するFPについて悩んだ場合の解決方法

もし、「自分の相談内容は、どんな専門性をもったFPに相談すれば良いのか解らない」や「多くのFPが候補に残ってしまい、決めきれない」といった状態になった場合には、FP業務に詳しい専門家が身近にいれば、その人間に相談してみるのが一番です。

FP業務の事が解っている人間であれば、貴方の相談内容を聞けば、明快な答えが出るケースも少なくないでしょう。

身近に相談できる人間がいない場合には、FP普及活動の一環として、当社でも相談を承っております(無料)。お気軽に、お問い合わせフォームからご相談下さい。

※当社の業務繁忙期などは、対応をお断りする事があります。

相談するFPの探し方・選び方のおすすめ(まとめ)

  • 自分に合ったFPを探す上では、まず、「FPのタイプ」について理解しておくと良いでしょう。
  • FPのタイプのうち、重要なのは、「得意分野の違い」と「収入源の違い」によるものです。
  • FPを探す上では、「専門性・経験」「中立性」「費用」「資格の種類」の4つの視点で条件設定が出来ます。
  • FPを探す具体的な方法としては、「商品購入予定先の企業をもとに調べる」「インターネットの検索エンジンで調べる」「日本FP協会の検索機能で調べる」「誰かに紹介して貰う」「公的な団体が開いているFP相談会を活用する」などがあります。
  • 貴方に合った「FPの具体的な探し方」は、「FPを探す条件」によって、お勧めの方法が変わります(詳しくは、本文参照)。
  • FP探しで悩まれた場合には、FP業務に詳しい専門家に相談してみる事をお勧めします。当社でも、繁忙期を除き、無料で相談を受け付けています。

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