ファイナンシャルプランナーの料金

この記事では、「ファイナンシャルプランナーに相談した時の料金の目安・相場はどのくらいなのか」や「値段設定が高いFPと安いFPでは、何が違うのか」などのFP相談料に関する質問に答えます。

FP料金の種類

FP料金には次のような種類があります。

時間制の料金

一般的に「FPの相談料」として提示されている料金のほとんどは、この「時間制の料金」になります。

FP相談に関する料金としては非常に一般的であり、「今回は○時間の相談ですので、○○円になります」といった料金請求となります。

個別作業の料金

提案書の作成のように、FPが持ち帰って行う作業を依頼した場合、相談料とは別に料金が発生する事が一般的です。

このような作業は、毎回の相談ごとに必要になる訳ではありません。この為、他とは分けて料金を設定しているFPが多いのです。そして、この点を明確にする為、多くのFPが提示する料金表(料金体系)においては、「提案書の作成などは別途料金がかかります」といった注意書きが付されています。

顧問料形式の料金

顧問料形式は、特定のFPと長期的な関係を築く事になった場合に適用される料金体系です。一般的には、月額や年額で金額が設定されます。

ある月の相談時間が長くなっても追加料金が発生しない代わりに、全く相談しない月があっても料金は減額されないような契約が一般的です。ただし、詳細は個々の契約によって異なります。

その他の基準による料金

その他にも、「資産総額の○%」といった方式で料金が定められるケースや「成功報酬的な考え方」で料金が設定されるケースもあります。

このような料金体系は、日本においては未だ一般的とは言えません。しかし、相談内容によっては、このような料金体型の方が双方の利益となります。

FP相談料に幅がある理由

FP料金を見比べた経験のある方は、FPによって料金が大幅に違う事に驚かれたかもしれません。FP料金に差がある理由を解説します。

サービス内容による差

実は、FPが提供するサービス内容は一律ではありません。

典型的なFP相談では、相談者一人一人の事情を丁寧かつ幅広く聞き取り、その上で、「総合的な解決策」を提示するような相談スタイルで行われます。このようなスタイルの場合、相談者の事情にきめ細やかに対応する事が可能です。

これに対し、対応する「悩みの種類(範囲)」を限定し、提案する商品(保険や投資商品など)についても、ある程度絞り込んでいるFPもいます。そのようなスタイルを採用する事により、相談料水準を抑える事は可能になります。

どちらが良いという訳ではなく、FPが提供するサービスの内容(スタイル)が異なる以上、「料金だけで、単純に比較する事は出来ない」とご理解下さい。

実力や専門性による差

また、FPの実力や専門性による差も料金設定に影響します。

一般的なFP相談を受けられるようになるまでの学習内容や必要経験は、FPによって大きな差はありません。

しかし、高度で専門的な相談を受ける為には、一般の方が予想されるよりも多額の費用がかかります。一例としては、「最新の情報を得る為の費用」や「様々な専門家グループへの参加費用」、「業務で使う道具(ソフトウェアなど)の為の費用」などをFPは負担しています。

費用の他にも、「自己研鑽の為に時間を費やす為、相談に割ける時間が減る」といった事情もあります。

ですから、そのような活動(努力)をしているFPの料金は、高めになってしまうのです。料金設定が高めのFPの場合、このような事情によって高くなっているケースが多いとご理解下さい。

FPの収入に関する考え方による差

「FP活動による収入」を重要視していないFPがいる事も説明しておかなければなりません。具体的には、「本業が別にあるケース」や「引退した人が趣味でFPをしているケース」などが相当します。

このようなケースでは、FP本人が採算を真剣に考えておらず、一般的なFPとは値段設定の水準が大幅に異なる事があります。このような料金をどのように捉えるかは、相談者次第です。

FP相談料の相場

次に、FP相談料の相場について解説します。

FP料金設定の相場

日本FP協会が2011年に調査した結果によると、協会所属のFPが相談料として設定している「1時間あたりの料金」は、1万円未満が66.4%、1万円以上が30.3%となっています(無回答がある関係で、合計が100%にはなりません)。

そして、日本FP協会の会員の内、上級資格の会員割合が10%強ですので、この割合を単純に当てはめて考えると、「上級資格保有者によるFP相談料は、1時間あたり1万円以上にはなる」という事になります。

なお、1万円以上に設定しているFPの内訳を詳しく確認すると、2万円未満の金額に設定しているFPが大多数です。この為、上級資格保有者に相談したい場合の料金としては、「1時間あたり1万円以上2万円未満」という水準が一つの目安になります。

他資格の料金との比較

料金水準を考える参考にして頂く為に、「プロの相談員は、どの位の料金を得るべきなのか(料金を受け取らないと不味いのか)」という視点からの参考金額もご紹介します。

現在は廃止されていますが、以前は一部の専門家の料金は「報酬基準」として公表されていました。ここでは、FPと同じように相談を受け、必要に応じて個別作業も請け負う専門家として、社会保険労務士の料金をご紹介しましょう。

過去の社会保険労務士の標準基準では、相談料の基準は1時間あたり1万円となっています。ただし、個別の作業には、料金が別途かかります(個別就業規則作成は20万円、人事・労務管理の立案は50万円~など)。

専門家が自分の事務所を維持していく上では、これ位の料金を受け取る必要はあるのです。

そして、追加料金を発生させないようなスタイルを採用している専門家であればある程、基本となる相談料の水準は高くなります(成功報酬として後から大きく稼ぐ前提があれば、相談料は低めに設定する事が可能です)。

FPの多くは、高額な追加料金を請求しない方針で事務所を運営しています。それを踏まえれば、多くのFPが設定している料金は、相談者に寄り添った水準で設定されていると言えるのではないでしょうか。

※ここで取り上げた金額は、ある時点での調査結果や基準です。あくまで、一つの目安としてお考え下さい。

FP相談料についての考え方のおすすめ

相談する側としては、「本当にお金を払ってまで相談するべきなのか」と悩まれるかもしれません。

この点については、「相談者の方が、そのサービスに満足できるかどうか」という判断に尽きます。

もし、その判断に悩まれているのであれば、このように考えて頂いても良いかもしれません。

「生活費の見直し」に関する相談であれば、相談によって月5千円でも追加で貯蓄出来るようになれば、年間では6万円です。5年間では、30万円になります。「保険の見直し」の場合でも、同様にメリットを考える事が出来るでしょう。

他にも、FP相談によって、「大きな金銭的なメリット」が得られるケースは多いでしょう。「様々な制度を活用する提案」や「投資に関するアドバイス」によって、生涯収支が大きく改善する事は珍しくありません。

また、FP相談にあたっては、「何かの目的の為に、貯蓄を成功させなければならない」や「人生のリスクを回避する為の対策を練りたい」といった事情がある方も多いでしょう。FP相談によって、その目的が達成出来るのであれば、そのメリットには値段が付けられない程の価値があるはずです。

こうした効果(メリット)の為にFP相談料を支払う決断が出来る人にとっては、「FPに相談しない方が勿体ない」という結論になる事は、容易にご理解頂けるかと思います。

FP相談料に関して迷っている人へのアドバイス

とは言え、FPに相談する上で、様々な不安を感じる相談者が多い事も理解は出来ます。

知識がないから相談しようとしている貴方が、専門家であるFPの「実力」や「提供して貰えるサービスの内容」を評価する事は難しいでしょう。

もし、「(納得さえ出来れば)FPに継続的に料金を支払っても良い」と考えているのであれば、多くのFPが提供している「無料相談(お試し相談)」を活用してみて下さい。相性の良いFPであれば、貴方の不安を吹き飛ばしてくれるような説明をしてくれる事でしょう。

継続的な相談を希望していないのであれば、無料相談ではなく、各FPのホームページなどにある「お問い合わせ機能」を活用してみて下さい。自分が期待する内容や懸念事項を細かめに伝えれば、FPが回答を返してくれる事でしょう。その内容を読んで検討すれば良いのです。

もし、それでも決断が出来ない場合や、そもそも、連絡するFPが見つからない・決められない事情がある場合には、自分の周りにいるFPに詳しい人に相談してみて下さい。FPに詳しい人であれば、貴方の悩みに対応してくれる事でしょう。

相談できる人がいない場合には、当社でも相談を受け付けています(無料)。お気軽に、お問い合わせフォームからご相談下さい。

※当社の業務繁忙期などは、対応をお断りする事があります。

ファイナンシャルプランナーの料金について(まとめ)

  • FPの料金には、「時間制の料金」「個別作業の料金」「顧問料形式の料金」「その他の基準による料金」といった種類があります。
  • 相談料の料金設定は、相談するFPによって差があります。その差は、「サービス内容による差」「実力や専門性による差」「FPの収入に関する考え方による差」といった要素によって生まれています。
  • FP相談料の相場としては、上級資格保有者に相談する場合で、「1時間あたり1万円以上2万円未満」という水準が一つの目安です。勿論、これは一つの目安であり、そのFPが提供しているサービスの内容や追加料金との関係で判断すべきです。
  • 相談する事によって、相談料以上のメリットがあれば、FP相談料は決して高くないはずです。
  • 「FPに相談するメリットがあるかどうか」や「そのFPが自分の悩みを解決してくれるかどうか」は、個別にFPに問い合わせてみるのがお勧めです。なお、当社でも相談を承っています(無料)。

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