FP(ファイナンシャルプランナー)とは
この記事では、「ファイナンシャルプランナーとは何か」を解説します。「FPの定義」は勿論、「発音・表記」「日本におけるFPの人数」「FP資格との関係」「FPが持つ知識」「FPの存在意義」などについても、解りやすく説明しています。
FPを基礎から理解したい人に向けた内容です。
FPとは(FPの定義)
FPとは、Financial Plannerの略です。
そして、「FPとは、一人ひとりの将来の夢や目標に対して、お金の面で様々な悩みをサポートし、その解決策をアドバイスする専門家です」と定義されています(日本FP協会の説明より)。
一言で言えば、「お金の専門家」です。
※日本FP協会はFPに関する資格の認定などを行っている団体であり、正式名称は「特定非営利活動法人 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会」です。
FPの発音・表記
日本における「FP」という用語の発音としては、FPは「エフピー」、Financial Plannerは「ファイナンシャルプランナー」という発音になります。
また、日本における表記としては、「ファイナンシャル・プランナー」または「ファイナンシャルプランナー」と表記される事が一般的です。
Financialという単語に対して、「フィナンシャル」という片仮名を当てるケースもありますが、FPに関しては「フィナンシャルプランナー」という表記や発音はされませんので、ご注意下さい。
FPと略される他の用語
前述の通り、FPとは、Financial Plannerの略です。「私はFPです」や「FPに相談する」といった使われた方をした場合、この意味で使われています。
しかし、「FP資格」がFPと略される事もあります。「私はFPを持っている」といった使われた方をした場合の「FP」は「FP資格」の事を指します。
また、FPが行う業務である「ファイナンシャル・プランニング」の事がFPと略される事もあります。「私はFPを行う」といった使われた方をした場合の「FP」は「ファイナンシャル・プランニング」を指します。
※「ファイナンシャル・プランニング」の意味については、この記事の後半で解説します。
FPとFP資格の関係
FPは職業・職種の名前であり、資格の名前ではありません。この為、無資格でFPと名乗って仕事をしている人もいます。
ただし、プロとして活動しているFPの多くは、日本FP協会が認定している資格や国家検定としての資格を保有しています。資格を持っているFPの事を、「(FPの)有資格者」と呼ぶ事もあります。
日本においてメジャーなFP資格は、「CFP」「AFP」「ファイナンシャル・プランニング技能士」です。
※FP資格の詳細については、別記事にて詳しく説明しています。
日本のFPの人数
FP業務は届出が義務化されていないので、資格を保有せずにFP業務を行っている人数については、把握する方法がありません。
この為、ここでは日本における現役FPの人数として、日本FP協会の資格認定会員数である188,292人という数字を紹介させて頂きます(2022年4月1日時点、日本FP協会資料より)。
日本FP協会の資格認定会員は、少なくとも国家検定2級レベル以上の試験に合格し、定められた資格更新要件(継続的に教育を受けている事など)をクリアしています。現役とみなす事が出来るでしょう。
なお、この人数は、約5年前の2017年1月1日時点では175,420人、約10年前の2012年1月1日時点では171,943人でした。
また、日本FP協会が認定する資格には2種類ありますが、上級資格であり国際ライセンスでもあるCFPの認定者数は25,098人しかいません(2022年12月末日時点)。
※日本FP協会以外にも、所属するFPの一部に資格更新要件を定めている団体はあるのですが、資格更新要件が適用される会員の人数が開示されていない為、この項では数字に含めておりません。
FPの業務内容
日本FP協会は、FPの業務について、「(FPは)個々人や家族のライフプラン(人生設計)に基づく将来の収支の見通しを立て、最適な資産設計・資金計画を提案、アドバイスを行い、その実行をサポートします。」と説明しています。
また、以下のような分野を相談例として紹介しています。
・家計管理
・老後の生活設計
・教育資金
・年金・社会保険
・住宅資金
・資産運用
・税制
・保険
・介護・医療費
・相続・贈与
あくまで一例ですが、かなり幅広い分野が業務内容として挙がっている事が確認できるのではないでしょうか。
※個々のFPによって、提供するサービス内容は異なります。
FPの業務の進め方
国際ライセンスであるCFP資格においては、業務の進め方として、以下の6つのステップが定義されています。ですから、典型的なFP相談は、このような流れで行われます。
1.顧客との関係確立とその明確化
2.顧客データの収集と目標の明確化
3.顧客のファイナンス状態の分析と評価
4.ファイナンシャル・プランの検討・作成と提示
5.ファイナンシャル・プランの実行援助
6.ファイナンシャル・プランの定期的見直し
ただし、これらのステップはFP側が意識すべきものであり、相談者側には、個々の事情に合わせて、より理解し易い進め方がFPから提示されるはずです。
FPが持つ知識(FPが知っている事)
FPが学習している知識の内容として、FP技能検定2級学科の試験範囲(科目)をご紹介します。
・ライフプランニングと資金計画(社会保険・年金に関する知識を含む)
・リスク管理(保険に関する知識を含む)
・金融資産運用(金融商品に関する知識を含む)
・タックスプランニング(税金)
・不動産
・相続・事業承継(贈与に関する知識を含む)
※括弧内は筆者追記。
有資格者のFPであれば、少なくともこのような分野に関する知識を学習しています。その上で、自分が得意とする分野に関する「高度な知識」や「最新の情報」を日々インプットしています。そして、相談者に最適なアドバイスを行う為に、日々、研鑽を積んでいます。
FPの存在意義
「お金の問題」は、様々な専門家が扱う事が出来ます。FPは、その専門家の一端を担っているに過ぎません。そして、個々の専門性という観点でみると、他の専門職の方が得意としている分野も少なくありません。
それにも関わらず、FPが注目されているのは、突き詰めて言えば、FPが「ファイナンシャル・プランニング」の専門家であるからでしょう。
日本FP協会は、このファイナンシャル・プランニングを「人生の夢や目標をかなえるために総合的な資金計画を立て、経済的な側面から実現に導く方法」と説明しています。
FPへの相談内容は相談者によって様々ですが、「(相談の最終的な目的が)人生の夢や目的をかなえる為のものである」という点では共通しています。そして、その為の「お金」という「不可欠で、基本となる部分」を専門としており、「一部分だけではなく、総合的に」取り組む専門家がFPであると言えるでしょう。
そのような専門家として存在する為に、FPは幅広い分野の知識を学習している訳です。
ですから、FPは「真っ先に相談する相手」として重宝され、また、必要に応じて、「各専門家との窓口になる役割」を期待されているのです。
最終更新日:2023年2月27日