FPへの保険の相談

ファイナンシャルプランナー(FP)に相談をしなくても、「保険の契約」や「保険の見直し」を行う事は可能です。では、なぜ、FPに保険を相談する人は多いのでしょうか。

この記事では、「FPに保険を相談するメリットやデメリット」について解説します。

FPにとって保険とは

ファイナンシャルプランナー(FP)は、「相談者のライフプラン改善の為の相談にのること」によって収入を得ています。

ですから、FPは「保険の専門家」ではありますが、「保険だけの専門家」ではないのです。FPにとって「保険」とは、「相談者が抱えるリスクに対応する為の手段の一つ」に過ぎません。

この点を正しく理解する事が、「FPに保険を相談するべきかどうか」の判断において大きな意味を持ちます。この記事を最後まで読んで頂ければ、それは良く理解して頂けるはずです。

FPに保険を相談する4つのメリット

FPに保険を相談するメリットは、

  • 保険を販売する前提がない
  • 特定の会社の保険商品に提案が限定されない
  • 高度なライフプラン分析による保険提案が可能
  • 保険の周辺領域のアドバイスも可能

の4つです。

以下、それぞれのメリットについて解説します。

保険を販売する前提がない

FPにとって、保険を販売する事は目的ではありません。

この為、相談者にとって、保険よりも良い対策があった場合、それを提案する事が出来ます。公的制度や貯蓄などをうまく活用する事により、「保険に入る必要がない」という提案をする事も可能です。

また、相談者が既に契約している保険商品によっては、「保険を解約せずに、その保険を継続した方が良い」や「(新しい保険には加入せず)既に加入している保険の解約だけをした方が良い」といった提案を迷わず行う事も出来ます。

相談者にとって、「そもそも、自分は保険に入るべきなのか」という点についてのアドバイスが安心して受けられるメリットは大きいでしょう。

特定の会社の保険商品に提案が限定されない

また、特定の会社の保険商品を販売する前提がないのも、FPの強みです。

保険販売を専門にしている業者であれば、自社が扱っている保険商品を販売する前提があります。また、「販売しても、あまり利益が出ない保険は売りづらい」という事情を抱えた業者もいると聞きます。

これに対して、FPは相談者にとってベストな提案を行う事が可能です。

FPの相談窓口には、他の所で保険を契約した後に、「自分の契約した商品に問題はなかったのか」という相談が来る事もあります。そのような心配をするくらいであれば、最初からFPに相談した方が良いのは言うまでもないでしょう。

高度なライフプラン分析による保険提案が可能

個人にとっての保険とは、「人生のリスクに備える手段の一つ」です。

より適切な保険の提案の為には、相談者のライフプランを十分に分析し、その人にとってのリスクを正しく把握する事が欠かせません。

そして、FPはライフプランの専門家であり、その分析や提案の為に料金を受け取っています。ですから、相談者のリスク分析についても、より高度に行う事が出来ます。

保険の周辺領域のアドバイスも可能

また、FPが提供する保険相談では、保険の周辺領域についてのアドバイスが受けられる事も少なくありません。

例えば、「保険金を受け取る段階で気をつけるべきこと」や「ライフプランの変化と共に保険を解約・減額できる可能性」、「支払われた保険金の使い方についてのアドバイス」などです。

このようなフォローについては、FP以外の保険相談でも行われている事でしょう。しかし、FPは保険の販売以外で料金を得ているからこそ、より手厚いフォローを行う事が可能です。

FPに保険相談をする2つのデメリット

その一方、FPに保険相談をするデメリットもあります。

FPに保険相談をするデメリットは、

  • FP相談料金の発生
  • 保険契約のスムーズさで劣る

の2つです。

それぞれ解説します。

FP相談料金の発生

保険を販売する専門業者に連絡をして保険を契約すれば、保険料以外の料金は発生しません。

これに対して、FPに保険を相談した場合、保険料とは別に相談料が発生する事が一般的です。

前述の通り、FPに相談するメリットは多いのですが、「とにかく安く保険を契約したい」というニーズには応えられない事もあります。

保険契約のスムーズさで劣る

中立の立場で相談に応じているFPに保険を相談した場合、そのFP自身は保険を販売出来ないケースが多いでしょう。これは、保険会社との距離を保つ上で、仕方が無い面があります。

そのようなFPに相談した場合、保険に加入する為には、別途、保険販売を専門にしている業者に連絡する必要があります。

もちろん、連絡を手伝ってくれるFPも多くいますが、一手間増えてしまう事は避けられません。

FPに保険を相談する必要がない人の条件

ここまで解説してきたFPに保険を相談するメリットとデメリットを踏まえると、以下の条件を全て満たす人は、FPに相談する必要はないでしょう。

  • 自分が対応するべきリスクが正しく把握出来ている。
  • (他の手段ではなく)保険商品を契約する事を決めている。
  • 自分自身で保険商品を比較し、契約する保険を選ぶ事が出来る。
  • 周辺領域についてのアドバイスを必要としていない。

これらの条件を満たしている人は、自分が契約したい保険商品を扱っている業者に連絡して、保険を申し込めば良いでしょう。

保険を相談するFPの選び方と注意点

保険相談をするFPを選ぶ際には、注意点があります。

この記事では、「中立の立場で保険相談を受けるFPへの相談」を前提とした解説をしてきました。

しかし、「FP」という名称を用いて行う商売の詳細について、法律的な制約はありません。この為、特定の会社の保険商品の販売を行っている場合であっても、「FPによる保険相談」として商売を行う事は可能なのです。

ですから、「FPによる保険相談」であっても、前述のようなメリットが当てはまらないケースがある事には注意をしてください。

FPへの保険相談で悩む人へのアドバイス

ここまでで、FPへの保険相談についての解説は終わりです。

しかし、自分が「どのFPに保険相談をすれば良いのか」という点で悩まれる方もいらっしゃる事でしょう。

その場合には、自分が相談しようとしているFPが「保険の販売で収益を上げているタイプのFP」と「ライフプランの相談など、保険の販売以外で収益を上げているタイプのFP」のどちらなのかを確認するようにして下さい。

そして、相談者にとって中立であるFPに相談したいのであれば、「保険の販売以外で収益を上げているタイプのFP」を選ぶようにして下さい。

ただし、「保険の販売で収益を上げているタイプのFP」の方が、相談料は低額に設定されているケースが多いでしょう(保険の販売で収入を得られる為)。そして、そのようなFPであっても、複数の保険会社と契約し、相談者にとって少しでも良い保険を勧めようと努力しているFPも多くいます。

相談料を抑えたいのであれば、「完全に中立なFP」に限定するのではなく、そのようなFPの活用を検討しても良いでしょう。

また、「保険相談をFPにするべきかどうか解らない」や「自分が相談しようとしているFPが適切かどうか解らない」といった点で悩まれた場合には、FPに詳しい専門家に相談する事をお勧めします。FPに詳しい専門家であれば、貴方の事情を踏まえて、適切なアドバイスをしてくれる事でしょう。

身近にそのような専門家がいない場合には、当社でも相談を受け付けています(無料)。お気軽に、お問い合わせフォームからご相談下さい。

※当社ではFP普及の為に、FPに相談しようと考えている方からの相談を受け付けています。ただし、当社の業務繁忙期などは対応をお断りする事があります。

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